岡山市北区の内科 腎臓内科 のなか内科腎診療所|透析

岡山市北区の内科 腎臓内科 のなか内科腎診療所

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慢性腎不全(CKD)

慢性腎不全(CKD)について

慢性腎不全を英語で言うとChronic Kidney Diseaseであり、その頭文字をとってCKDと略語で称されます。

2002年頃から世界中で統一した疾患概念として取りまとめられ、CKDという病気を医療者に広く周知することで、適切に治療を行い、透析患者数を抑制する目的があります。

CKDの定義

①、②のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続していること。

  • ① 尿異常。画像検査、血液検査、病理診断で腎障害の存在が明らか、特に0.15g/gCr以上の蛋白尿(30mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要
  • ② GFR < 60ml/分/1.73m²
    ※GFRとは、糸球体濾過量(glomerular filtration rate)のことで、腎臓に存在する尿を作る仕組みである糸球体を、1分間に通過する血液量のことを指します。健康な成人だと約100ml/分/1.73m²となっています。

上記の定義に当てはめると、検尿異常(特に蛋白尿)が何回も陽性になっている方、健診でクレアチニン値(腎障害の指標)が正常範囲よりも高い方はCKDの可能性があります。

当院ではどちらも測定可能であり必要に応じて精密検査も行うことができます。

CKDはGFRに応じてG1からG5まで分けられており、時間経過にて数字が大きい方へ腎機能が悪化していきます。

また蛋白尿の存在も重要で、蛋白尿が少ないほど腎障害は進行しにくいことが分かっており、腎臓内科の診療ではこのGFRの悪化抑制と蛋白尿の軽減を目標に治療を行います。

当院では保険診療の西洋医学的な薬物療法と栄養指導・生活指導が治療の柱になります。

クレアチニン値

クレアチニン(Cre)は血液中にある、筋肉の老廃物の一つで、そのほとんどは腎臓の糸球体によって濾過され尿中へ排泄されます。

腎障害が起きると糸球体でクレアチニンが濾過されにくくなり、血液中のクレアチニン値が上昇するため、腎障害の一つの指標とされています。

クレアチニン自体が体に悪影響を及ぼすわけではありません。

筋肉量に一般的には比例するため、筋肉隆々の若い男性は高くなりやすく、逆に痩せたご高齢の方だと低くなりやすいです。

正常値は男性:約0.6~1.0mg/dl、 女性:約0.5~0.8mg/dlです。

クレアチニン値だけ見ていると実際の腎機能を正しく評価できていない可能性があり、計算式で性別・体格補正を加えたeGFRを用います。

eGFR

GFRを日本人向けに性別・体格補正を加えたものをeGFRと呼び、血清Cre値と年齢から算出します。(ただし18歳以上に適用)

GFRは糸球体濾過量(glomerular filtration rate)のことで、腎臓に存在する尿を作る仕組みである糸球体を、1分間に通過する血液量のことで、健康な成人だと約100ml/分/1.73m²です。

eGFR 60未満はCKDと診断される可能性があり、腎臓専門医への受診が勧められます。

時計に見立てた下記の図がeGFRとCKDステージG分類を覚えるのに役立ちます。

eGFRが30未満のCKD G4以降は、腎臓専門医への定期的な通院をお勧めします。

慢性腎炎

学校健診や職場健診の尿検査にて蛋白尿や血尿が陽性になる一方で症状が全く無く慢性的に進行する疾患を慢性腎炎と分類します。

慢性腎炎には様々な疾患が含まれますが、その中でも最も多いのがIgA腎症です。

IgA腎症は腎生検で確定診断されますが、日本で行われる腎生検のうち1/3がIgA腎症と言われます。

eGFRが正常範囲~軽度低下(60~100ml/分/1.73m²)の場合でも、尿蛋白が(1+)以上だと将来的に腎機能が悪化する可能性があり、検尿異常がある場合は一度専門医の受診をお勧めします。

IgA腎症については治療方法が確立しており、日本では扁桃腺摘出術+ステロイドパルス療法が行われることが多いです。

そのほかの慢性腎炎については治療法が確立しておらず、食事療法とACE-I(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)やARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)による腎保護療法が基本になります。

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