健康診断や会社の定期検診で「血圧が高いですね」「血圧に異常があります」と指摘された経験はありませんか？
一時的なものだから大丈夫だと思って放置してしまったり、特に症状がないから大丈夫だと安心していませんか？
血圧の異常は、気付かないうちに体に負担をかけ、深刻な健康問題を引き起こすことがあります。
今回は、血圧異常を指摘された場合に放置せず、早めに医師の診察を受ける重要性についてお話しします。
血圧異常はなぜ危険なのか？
血圧が高い状態が長く続くと、心臓や血管に大きな負担がかかり、動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。
動脈硬化は血管が硬くなり、血流がスムーズに流れにくくなる状態で、脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわる病気を引き起こす原因の一つです。
また、血圧が高い状態は腎臓にも負担をかけ、年月をかけて腎不全を引き起こすこともあります。
一方、低血圧も注意が必要です。低血圧が続くと、めまいや立ちくらみなどの症状が現れ、転倒事故を引き起こすリスクが高まります。また、慢性的な低血圧は、心臓や脳の血流が不十分になり、体の隅々まで酸素や栄養が届きにくくなることもあります。
なぜ多くの人が血圧異常を放置してしまうのか？
血圧異常を指摘されても、特に自覚症状がないことが多いため、「まだ大丈夫」と感じて放置してしまう方が非常に多いです。しかし、血圧の異常は「サイレントキラー」とも呼ばれ、症状が出ないまま進行し、突然深刻な合併症を引き起こすことがあります。症状がないまま心臓や血管に負担がかかり続け、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中を起こすことがあります。
血圧異常のもう一つの問題は、日常生活の中で悪化させる生活習慣が多いことです。ストレス、食生活の乱れ、運動不足、睡眠不足などが血圧を悪化させる要因となり、放置することで悪化のスピードが速くなることがあります。
早期受診のメリット
早めに医師に相談し、適切な治療や生活改善の指導を受けることで、血圧異常をコントロールすることが可能です。以下は、早期受診の具体的なメリットです。
生活習慣の改善による予防
血圧異常の多くは、食生活や運動習慣の改善でコントロールが可能です。医師や管理栄養士の指導を受けることで、バランスの取れた食事や適切な運動を取り入れるヒントが得られます。
早期治療による病気の予防
早めに治療を始めることで、動脈硬化の進行を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な病気を予防することができます。
症状のないうちに対処できる
血圧異常は症状がないまま進行するため、症状が出る前に受診して適切な対策を取ることが大切です。医師と一緒に血圧管理の計画を立てることで、日常生活に無理なく治療を取り入れることができます。
合併症を防ぐ
血圧異常は他の疾患との関連性も強く、心臓病や腎臓病を併発することがあります。血圧をコントロールすることで、これらの合併症を防ぐ効果も期待できます。
血圧をコントロールするためにできること
血圧をコントロールするためには、生活習慣の改善と定期的な受診が重要です。以下は、すぐに始められる血圧管理のためのポイントです。
塩分の摂取を控える
塩分を摂りすぎると血圧が上昇する原因となります。日本人の平均食塩摂取量は約10g/日ですが、高血圧の場合は6g/日未満にすることが推奨されます。日々の食事で塩分を控える工夫をしましょう。例えば、塩分の多い加工食品や外食を減らし、家庭で調理する際は味付けの塩分を少なめにするなどの対策が有効です。
適度な運動を心がける
運動不足は血圧を悪化させる要因の一つです。毎日30分程度のウォーキングや軽い筋力トレーニングを取り入れることで、血圧の安定に繋がります。
ストレスをためない
ストレスも血圧に大きく影響します。ストレスを感じたら、リラクゼーション法や趣味の時間を作って、心身のリフレッシュを図りましょう。
定期的に血圧を測る
自宅で簡単に血圧を測れる血圧計を活用し、定期的に血圧を記録しましょう。
病院や医療機関では緊張して血圧が高めに出ることがあります。家庭での血圧が本来の血圧ですので、当院ではご自宅の血圧を元に薬剤調整など治療を修正しています。
体の疲れや周囲の気温、健康状態によって血圧は日々変動します。体調を管理する上でも、血圧測定は重要です。
血圧の異常を指摘されたらご相談ください
血圧異常は、放置すると深刻な病気に繋がるリスクがあります。
しかし、適切なタイミングで受診し、生活習慣を改善することで、健康な生活を取り戻すことが可能です。
血圧異常を指摘された方は、ぜひ一度、当院へご相談ください。早期発見・早期治療が、あなたの健康を守る第一歩です。
私たちは、皆様の健康管理をサポートするため、いつでもお手伝いできる準備をしています。医師のみならず看護師、管理栄養士とともに生活習慣管理の指導・相談を行います。
